失職者支援の輪に広がり「SOSネット上伊那」23日発足

http://www.shinmai.co.jp/news/20091003/KT091001SJI090014000022.htm

 景気悪化の影響を受けて失職した人たちを支援しようと、上伊那医療生活協同組合上伊那郡箕輪町)や伊那国際交流協会伊那市)など上伊那地方の団体が23日、「SOSネットワーク上伊那」を立ち上げる。同生協のSOSネットワークは2月から、毎週土曜日に食料の配布を始め、上伊那南部でも今夏、同様の動きが始まった。失職者の支援の動きが上伊那地方全域に広がっている。

 現在のSOSネットの水野耕介事務局長によると、食料配布はこれまで32回実施し、延べ2700世帯にコメ16トン、野菜36トンを渡してきた。当初は日系ブラジル人世帯の利用が多かったが、8月ごろから日本人も目立つようになってきたという。新たに配布を求めて訪れる世帯も目立っており「さらに多くの人手が必要」と各団体の垣根を越えた支援を呼び掛けた。

 新組織は、12〜13の構成団体で設立する見通し。各団体が持つ要支援者の情報を共有し、雇用や生活の相談などに当たる。年末年始には炊き出しや宿泊所の確保なども検討し、行政の支援も働き掛けていくという。水野さんは「地域住民と一緒に支援したい」と話している。

 23日は伊那市の県伊那文化会館で設立総会を開催。総会に先立ち、午後6時半から、南佐久郡小海町を拠点に食料支援活動に取り組む「山谷(やま)農場」の藤田寛さん(39)の講演会がある。その後、各団体の代表者ら計5人によるシンポジウム。申し込み不要で入場無料。

 同ネットは、引き続き食料や日用品を募集。問い合わせは同ネット事務局(電話0265・79・8702)へ。